2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S100_2
バランス能力の低下はロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)の危険因子とされるが、現行のロコモ判別テストには採用されていない。そこで、本研究は足圧中心(COP)の解析を用いたロコモ判別のための新規なバランス指標の開発を目的とする。被験者は、健康な中高年者18名(平均65.6±6.1歳)及び若年者9名(平均25.7±3.4歳)とした。現行のロコモ判別テストの一つである立ち上がりテストを用いて、被験者をロコモ群(中高年者)、非ロコモ群(中高年者)、非ロコモ群(若年者)に分類した。次に、床反力計を用いて以下の課題におけるCOPを計測した。1)椅子からの起立動作後約60秒間の立位保持、2)ゆっくり足踏み、3)立位での前後方向の重心移動。計測後、1)COP前額方向波形を低周波数帯(0~133Hz)と高周波数帯(333~500Hz)に分けてパワースペクトルの積分値を求め、高周波数帯/低周波数帯(HF/LF比)を算出した。さらに、2)COP包絡面積、及び3)COP矢状方向の安定性限界を求め、包絡面積を安定性限界で規格化した。HF/LF比と規格化包絡面積により被験者を二次元プロットした結果(図参照)、ロコモ群を判別できる可能性が示唆された。