生体医工学
Online ISSN : 1881-4379
Print ISSN : 1347-443X
ISSN-L : 1347-443X
耳朶皺襞の深さを基にした血管内皮機能推定法の提案
平野 陽豊植松 大智二川 雅登大多 哲史橋本 東樹岸本 真治小田 望梶川 正人丸橋 達也東 幸仁
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S180_1

詳細
抄録

【目的】動脈硬化初期症状は血管内皮機能の障害である.虚血反応性充血後の血管拡張能について超音波装置を用いて計測する血流依存性血管拡張反応(FMD)検査が,血管内皮機能計測のディファクトスタンダードとして広く用いられている.しかし,FMDの計測は熟練を要することが課題である.そこで,本研究では耳朶皺襞と呼ばれる耳たぶに走る斜めのしわについて画像処理技術を応用して深さを検出し,検出した皺の深さから血管内皮機能を非侵襲で評価する方法を提案した.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと,事前にインフォームド・コンセントが得られた健常群25名(61.8±18.2歳),動脈硬化ハイリスク群25名(60.2±16.5歳),動脈硬化疾患群25名(63.0±12.8歳)を対象とし,耳朶の写真を撮影した.撮影された写真の輝度値を基に耳朶皺襞の深さを推定し,推定された深さに対して正規化したものを提案する血管内皮機能の指標と定義した.比較のために同被験者へFMD検査を行い,計測された血管内皮機能指標%FMDとの相関を求めた.【結果】提案指標と%FMDは有意に相関した(R=-0.27,p<0.05)【結論】提案法を用いて血管内皮機能を推定できることが明らかになった.

著者関連情報
© 2019 社団法人日本生体医工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top