2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S229_1
LILJ(Laser Induced Liquid Jet)は液体ジェットを高速に射出し,腫瘍破砕と細血管の温存を両立する治療デバイスである. LILJを形成外科領域に応用するため,微小バブルを巻き込んだバブル型LILJを開発し,破砕力が向上することを確認した.しかし,微小バブルを加えたことによる破砕力向上の詳細なメカニズムは十分明らかではない.本研究ではジェットにより組織内に生成される液だまり現象の内部を解析することにより,破砕力向上の機序を解析することを目的とする.液だまり内部は直接計測することはできないが,破砕組織と液体が混濁状態であるため,破砕組織が多ければ液だまり内の粘性は高くなると考えられる.そこで,粘性力の高さを破砕効果と仮定し,液体ジェットが対象組織に侵入して液だまりを形成する一部分を定常流モデル化し,液だまり内部を計測と数値シミュレーションにより解析を行った.破砕領域が大きい時,予測した粘性力,圧力は高くなる事を確認した.これより,破砕領域内部を定量的に評価できる可能性が示唆された.