生体医工学
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生体高周波磁気計測に向けた10kHz級ハンドヘルド型光ポンピング原子磁気センサモジュールの開発
武田 俊根武谷 吾熊谷 寛
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S259_2

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抄録

生体は非磁性体であり、生体内の現象を磁気で測定することは体内の組成によらずに信号を得られるためその解析に有効である。しかしこれらの生体磁気は極めて微小であるため高感度な磁気センサが必要である。生体磁気計測に向けたセンサの開発が進められているが、脳磁(数Hz)や心磁(~100Hz程度)などの低周波生体磁気信号を対象としたものが多い。しかし、筋電(~10kHz)由来信号や地磁気下MRI(約2kHz)など、より高周波帯にも有効な磁気信号が多く、これに対応できるセンサが求められる。光ポンピング原子磁気センサ(OPAM)は室温下で高感度を達成し、かつ理論上数十MHzにも及ぶ帯域を持つため、生体高周波磁気計測に適していると考えられる。しかしOPAMは多くの光学部品を精密固定する必要があり、プローブのように自由に動かすことは困難である。そこで本研究では、3Dプリンターを用いて10cm×6cmのABS製筐体を作成し、そこに光学系・制御回路および測定回路を内蔵したハンドヘルドサイズのOPAMモジュールを開発した。また、そのOPAMモジュールを用いて10kHzの交流磁気信号の検出できることを示した。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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