生体医工学
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褥瘡予防評価システムの開発-臀部生体内の応力解析評価モデルによる異なる座面環境上での応力評価-
鷲塚 拓仁花房 昭彦中山 剛新妻 淳子三ツ本 敦子
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S269_1

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抄録

脊椎損傷による車椅子利用者は、長時間の座位姿勢や座面、便座の形状や素材の不適合から臀部に発生する褥瘡のリスクが高まる。褥瘡の中でも深部損傷褥瘡は、骨近傍から発生進行するため発見が困難である上、原因として考えられている生体内の応力は計測することができない。これらの褥瘡を防ぐには生体内の応力状態を知ること、応力の集中を防ぐには個人に適した座面、便座を使用することが大切である。 本研究では、患者個人に合わせた臀部モデル作製を行い、排泄時の褥瘡予防を観点として、便座着座時の応力分布解析を有限要素解析法によって行う。本報告では、剛体床面、ゲルクッション、便座上と3つの座面環境上での荷重をかけた際の応力分布状態の解析を行い、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の臀部ダミーモデルによる計測結果との比較を座骨直下の値で行った。Fig.1に各床面の左右座骨直下の応力値と実測値の比較結果を示す。剛体床面は、右側は0.025[N/mm2]、左側は0.051[N/mm2]で実測値の0.038[N/mm2]と比べると実測値の±0.013[N/mm2]となった。ゲルクッションは右側は2倍となり左側が実測値の3~4倍、便座は両側とも実測値の4~5倍という結果となった。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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