生体医工学
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半導体イオンセンサISFETを内蔵した微小流体デバイスによるpH測定法と凍結濃縮現象解明への応用
山田 章瀬戸 将一朗米澤 旭
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S97_1

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抄録

半導体イオンセンサISFETは応答性が極めて高いため、緩衝能の低い水溶液であってもpHを測定できる。我々は、微小サイズのISFETセンサと微小流体デバイスを組み合わせることで、測定の応答性と精度を高めたpH測定デバイスを開発してきた。センサ周囲のサンプル溶液の流れを制御することで、サンプル液-測定基準液間の液間電位を形成されにくくして測定誤差の低減を図った。一方、開発した装置を活用して、凍結濃縮に伴う水溶液のpH変化の直接測定を検討している。生体サンプルの低温保存の際に、周辺溶液の凍結・融解はサンプルの構造や機能に影響を与える。原因の一つに、凍結濃縮に伴う水溶液中の水素イオン濃度指数(pH)の変化があるが、凍結・融解中のpH値やその経時変化の実測例は皆無に近い。本研究では、融解途中の水のpHをモニタする手法を検討した。凍結させた氷塊を融解させながら外周から順に回収してpHを測定することで、凍結濃縮によるpH変化を見積もることに成功した。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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