生体医工学
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知的画像情報処理による診断・治療支援システム
諸岡 健一
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 118

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抄録

近年,人体臓器を撮影対象としたMR・CTや4K内視鏡,細胞・組織を含む人体標本を撮影するスライドスキャナなど,医療画像装置の高精度化に伴い,高精細な画像を使った診断・治療が行われている.この高精細医療画像から,これまでの画像では得られなかった情報(例えば,細い血管)を捉えることが可能となり,それにより診断・治療の正確性の向上が期待できる.一方,人工知能(Artificial Intelligence: AI)は,一般画像,音声,自然言語処理など様々な分野で優れた性能を示し,医療分野においても,CT・MR画像からの人体組織抽出や癌検出など画像診断では様々な成果が報告されている.また,治療におけるAIを導入した研究も最近盛んに行われている.我々は,これまで,医療画像から人体組織の3次元形状を復元し,その形状情報とAIを用いた治療・診断支援に関する研究を行っている.この3次元形状は,患者体内の状態を3次元的に捉えやすいことから,患者への説明や手術計画に用いられる.また,臓器の3次元形状を使って治療中の患者体内を再現することで,手術手技を訓練する手術シミュレーションや,手術中に患者体内の情報を提供する手術ナビゲーションなどへの応用もある.本発表では,これまでの研究成果を示しつつ,3次元形状とAIの診断・治療応用について紹介する.

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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