日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
横隔膜部胸膜原発Solitary Fibrous Tumorの1例
松村 祥幸森川 利昭大竹 節之石川 慶大佐藤 暢人平野 聡近藤 哲
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2006 年 20 巻 7 号 p. 945-950

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抄録
横隔膜部胸膜原発solitary fibrous tumor(SFT)の1切除例を経験したので報告する.症例は76歳,女性.胸部異常影を主訴に当科紹介となった.胸部CTでは右胸腔に巨大な充実性腫瘍を認め,針生検でSFTの診断を得た.栄養血管である右下横隔動脈に対し塞栓術を施行した後,手術を施行した.腫瘍は21×17×10cm,2070gであった.病理組織学的には悪性所見はなくSFTと診断された.術後経過良好で術後11日目に退院となった.術後1年9ヵ月現在,無再発生存中である.横隔膜部胸膜原発SFTはまれであり,巨大腫瘍となってから発見される傾向にある.横隔膜付近の精査にはMRIが有用であった.
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