2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 124
近赤外分光法(NIRS)に関する最初の論文は、1977年にScience誌に投稿された。NIRSの1chの装置が製品化されたのは1990年代初頭であった。NIRSが計測するヘモグロビンパラメータは、脳活動や筋肉活動を説明する可能性を持っていた。その後、脳イメージングに使うNIRSは、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)と同様の名称として、fNIRSと呼ばれるようになった。fNIRSのISO/IEC国際規格は、日本が主導して議論をすすめ2015年に発行された。しかしながら、ほぼ同時期に開発が進められたX線CTやMRIの普及と比較すると、fNIRSの普及は高くない。本発表では、脳イメージングにあたってfNIRSのメリットを振り返るとともに、今後の課題をまとめる。