2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 146
広島大学ではバイオデザイン部門を包含したトランスレーショナルリサーチセンターが設置され、県医療関連産業クラスター形成事業の一環として設けられた共同研究講座にて、インド政府と連携した独自のプログラムを構築している。また、日本医療研究開発機構(AMED)次世代医療機器連携拠点整備等事業の採択を受け、国際競争力を飛躍的に高める普遍的医療機器開発を目指した拠点整備を行っている。
少子高齢化が進む昨今、先進国向けの高機能・高価格な機器開発を目指していては、国内市場の縮小への対応と、拡大する新興国市場への進出は成し得ないことから、現場ニーズを満たす必要十分な機能と品質を備え、患者の手が届く価格で提供可能な機器を日本の技術力と信頼性を活かし開発することと、そのための人財育成エコシステム構築を目指している。
これまでに、インドバイオデザインにフェローを派遣し、教員養成と関係組織とのネットワーク構築を完了した。2019年には、ひろしまバイオデザインフェローコースを開設し多職種による医療機器開発を推進するとともに、経産省「地域中核企業ローカルイノベーション支援事業」を中国経産局から受託し、ものづくり企業への学術指導と高度医療施設でのバイオデザインコースを実施した。国内外での活動(AMED先行拠点や日本医師会との連携、国際共同研究に基づく企業との協働)について、医工学領域での知財化と社会実装の取組を報告する。