生体医工学
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アカデミアからみた産学連携経験談
田中 由浩
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 172

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抄録

発表者は触覚の基礎と応用に関する研究を行なっており,製品の触感のデザインや触覚デバイス開発に関する共同研究を様々な業種の企業と行なってきている.ここで視覚や聴覚と比べると触覚は情報化が進んでおらず,評価や設計の手法は確立されていない.したがって,触覚のセンサや提示装置などのデバイスの活用についても,どのような応用可能性,効果があるかは未知であることが多い.このような背景の下,産学連携においては,企業のニーズと大学の技術シーズのマッチングという単純な様相を取ることは少ない.良い成果を生むには共創的な課題設定が重要である.そしてこの際に,アカデミアとして,培ってきた基礎的知見,独自の視点,バックキャスティングによる発想が役立つと考えている.新しい手法や技術の創出を目指す生体医工学の分野においては,その産学連携のプロセスに共通する課題や指針があるように思う.本発表では,医療福祉にとどまらず,広く発表者の産学連携の体験を紹介し,共創的産学連携について議論させていただきたい.

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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