生体医工学
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筋・腱・軟骨系の形態形成と恒常性維持機構の解明
浅原 弘嗣
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 181

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抄録

筋・腱・骨格・関節の形態形成と恒常性を理解するため(Hum Mol Genet 2015, PloS Genet 2016, Sci Rep 2017)、転写因子の発現データベースEMBRYSを作成(Dev Cell 2009)、腱の転写因子Mkxを同定し(PNAS 2010)、その生理学的な機能を解明した(PNAS 2016, Nat Commun 2016, Mol Cell Biol 2016, Development 2017, Nat Rev Rheumatol 2020)。軟骨の発生においては、Sox9の軟骨における遠位エンハンサーを同定、先天性骨系統疾患の理解に貢献した(Dev Cell 2018)。また、Sox9に調節されるマイクロRNAとして、miR-140を同定した。興味深いことに、miR-140(Gene Dev 2010, Nat Rev Rheumatol 2012)は頭蓋骨形成に必須であるが、Host遺伝子のWWP2は必須でないこと(Inui Nat Cell Biol 2018)、関節炎においては、協調して機能することを明らかにした(Nat Commun 2019)。さらに、miRNAのターゲット同定システムを構築し(PNAS 2017, Blood Adv 2018)、遺伝子ネットワークの解明と応用を行っている。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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