生体医工学
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ローレンツプロット画像の機械学習による発作性心房細動の検出
植田 典浩増田 勇人木曽原 昌也湯田 恵美早野 順一郎
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 194

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抄録

[背景と目的]心房細動(AF)は、脳動脈主幹部の塞栓のため広範囲の脳梗塞を引き起こし予後不良であるが、経口抗凝固薬を服用することで予防が可能である。ただし、発作性AF では長期のECG モニタリングによって診断されることが多く、ECG 信号のデジタル時系列またはR-R 間隔をアルゴリズム的に分析することが必要である。ローレンツプロット(LP)画像は、長期ECG モニタリングにおけるAF 検出の有望な方法である。今回、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、LP 画像での発作性AF 検出における、至適なセグメント長について検討した。

[方法]持続しているAF 患者52 人と非AF コントロール58 人の24 時間心電図記録(ホルター心電図)を教師データとして、20-600 拍の長さの非重複セグメントの32 x 32 低解像度LP 画像を作成・解析した。発作性AF の患者53 人と非AF コントロール52 人を検証データとして、識別性能を調べた。

[結果]検証では、AF を検出するための陽性尤度比は、100 拍にピークを有する凸型の放物線を示した。一方、陰性尤度比はセグメント長が短いと低下した。

[結論]32 x 32 の低解像度 LP 画像において、AF と非AF を区別するためにCNN モデルを使用する際には、セグメント長を100 拍とするのが至適であると考えられた。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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