生体医工学
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心臓局所冷却による頻脈性不整脈制御の試み
瀬野 宏富井 直輝山崎 正俊本荘 晴朗柴田 仁太郎佐久間 一郎
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 195

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抄録

【背景・目的】頻脈性不整脈の駆動源として知られる旋回性興奮(Spiral Wave:SW)は,心臓内の局所冷却領域の周辺を移動することが報告されており,局所冷却によってSW の移動を制御することができれば,低侵襲除細動を実現できる可能性がある.そこで本研究では,SW を効果的に停止させる手法として線状の局所冷却を提案し,コンピュータシミュレーションモデルを用いたin silico 実験,及びウサギ心臓標本を用いたex vivo 実験で本手法の有効性を確認した.

【手法】二次元バイドメイン心臓組織モデル上で誘発したSW に対し,冷却幅,冷却温度,冷却方向をパラメータとし,様々な線状局所冷却を検討するin silico 実験を行った.そしてex vivo 実験に向けて冷却液を用いた線状局所冷却システムを構築し,ウサギ二次元心臓標本に対する冷却実験を行った.

【結果】in silico実験の結果,冷却温度が低く,冷却幅の広い線状局所冷却を心筋線維走行に沿って行ったとき,効果的なSW の移動がみられた.またex vivo 実験において,線状局所冷却によってSW が停止した例を観測した.

【考察・結論】適切な線状局所冷却を行うことによって,SW を停止できる可能性が示された.

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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