2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 223
当研究グループでは,MEMS技術による完全埋め込み型人工聴覚上皮の研究開発に取り組んでいる.動物実験によるElectrically Evoked Auditory Brainstem Responseの実測に成功しており,臨床応用に向けてさらなる性能向上を目指している.共振特性,周波数弁別能および出力電圧の予測・設計技法の開発は,非常に重要であり,特に,リンパ液を模した液体中での性能評価法が確立されつつある.技術的障壁として,圧電薄膜材料の電気的出力向上,外有毛細胞を模した膜振動のフィードバック制御機構,そして,神経刺激用電極の開発が挙げられる.本研究では,これらの克服すべき問題点や将来展望について,生体医工学的な学術的視点から紹介する.