生体医工学
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生体内極細カテーテルの血管内誘導のための複数の超音波音源の空間的配置条件の検討
小林 勇太郎高野 潤也岡留 寛斉桝田 晃司
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 252

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抄録

我々は現在,音響放射力形成による極細カテーテルの誘導制御に関する研究を行っている。これまではカテーテルに対して2つの2Dアレイトランスデューサ(以下2Dアレイ)を線対称でかつ直交する配置条件で任意の方向への屈曲を行ってきた。しかしながら実際の医療現場においては体表面や血管の形状により2Dアレイを体表面上で配置できる条件は制限される。よって本研究では,2Dアレイのさまざまな配置条件に対するカテーテルの挙動を観測し、生体内の血管内にて誘導するために必要な音場の条件を導出することを目的とする。自由水中中にて方位角をつけてカテーテルに対して線対称,もしくは点対称に2Dアレイを配置し音響放射力形成を行い音軸垂直方向へのカテーテルの変位を測定した。音場の焦点位置を0.2 mm刻みで変化させ,その最大変位を測定した。方位角を30 degから150degまで設けて実験を行ったところ、点対称に配置した場合に比べ線対称に配置した方が大きな変位を得ることができた。本研究により、実験で得られた結果を比較し配置条件それぞれの優位性を確認した。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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