生体医工学
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電気泳動後のタンパク質を対象としたテラヘルツ透過画像の特徴抽出
鍵谷 慧水戸部 一孝
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 281

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抄録

ヒト血清は,主として5 種類のタンパク質で構成されている.一部の疾患では,これらの濃度バランスが崩れ,特有の濃度異常を引き起こすことがある.そのため,電気泳動法によって分画されたタンパク質の濃度比から特定の病態を推定することができる.タンパク質の分布を知るためにはタンパク質を染色する必要があるが,染色液は生体に対して有害であり,安全性に問題がある.そこで,本研究では,人体に無害でタンパク質に高い吸収性を有するテラヘルツ(THz)波による可視化手法を研究している.過去の研究において,セルロースアセテート膜電気泳動法でヒト血清を分画し,THz波によりタンパク質を可視化できることが報告されている.しかしながら,可視化された画像はコントラストが低く,タンパク質の位置が不明瞭であった.そこで本報告では,THz透過画像の取得に適した電気泳動用試料を作製するために必要な処理条件を検討した.さらに,電気泳動後のヒト血清のTHz透過画像におけるタンパク質の特徴抽出法について検討した.

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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