生体医工学
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酸化チタンによる臭気除去装置の開発
安井 誉篠原 健太木戸 倫子長倉 俊明
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 483

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抄録

(はじめに)化学物質による臭気は病院でも問題視されており、薬剤や病気特有の臭気などが多数存在している。有害物質を含んだ臭気の除去は患者環境や医療の質の向上に繋がると考える。しかし、医療現場では限られたスペースしかなく、大型の空気清浄機を設置する場所はあまりない。(目的)そこで先行研究にて臭気除去の確認がされてきた酸化チタンを用いて小型で臭気除去能力の高い装置の設計、開発を行う。これにより限られた環境での運用を目指す。酸化チタンは光触媒の一種で紫外線を照射することにより光触媒に接触した臭気物質に酸化分解反応が発生して分解が行われる。(結果と結論)改良の重要なの点は臭気の臭気物質が酸化チタンの表面に接し、紫外線との反応が効率よくなることなので、取り込む空気の流れ、紫外線の照射方法、分解効率の良い酸化チタン膜の作成等の改良を行った。さらに分解効率の良い結晶構造の異なるルチル型からアナターセ型への変更、光触媒と紫外線光源との距離の変更や380nm付近の波長を出すUV-LEDの変更を検討している。往来の装置では電流 1.07A 電圧 14.3Vであったが、電力等の最適化を行うことにより分解効率が改善した。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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