生体医工学
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臨床工学技士と臨床研究活動(現場で研究活動を行う上で障害になっているもの)
松井 智博
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 199

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抄録

【背景】

2019年11月に日本学術会議幹事会が、研究者が働き方改革の実行と自由な研究時間の確保を両立できるよう求める声明を発表するなど、研究時間の確保に対する関心は高くなっている。しかし、病院で働く臨床工学技士の臨床研究時間に関する研究は多くない。そこで臨床工学技士に対して調査を実施した。

【方法】

複数施設25名の臨床工学技士からのアンケート結果を元に臨床工学技士の研究活動について考察する。

【結果】

アンケート結果からは勤務中の臨床研究時間は全くない、少ないが20/24人(83.3%)、勤務時間外に研究時間が全くないが14/24人(58.3%)、勤務中に研究時間を持つことに対してよく理解できる、理解できるが17/25人(68.0%)。施設として勤務時間内に臨床研究を行うことに十分理解がある、理解があるが13/25人(52%)などとなった。

【考察】

勤務中に研究時間を設ける事に対して理解がないと感じていたが、理解がないとの回答はなかった。研究活動時間を確保するためには勤務中にある程度研究時間を取る工夫が必要になってくると考えられた。自分の経験からは、今までは勤務時間外に研究時間を捻出していたが、加齢とともに健康不安が生じることも多くなっている。また管理職としての業務量の増加も多くなってきた。アンケート結果を元に工夫できることを考えていく必要がある。

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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