2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 353
てんかん焦点検索に極めて有用であるMEGが脳波に比べ十分に活用されていない理由には、コストに加えて解析の煩雑さ、難しさがあると考えられる。これに対し我々は半自動解析法を開発し、従来の手作業による解析との互換性を保ちながら解析者の労力削減を目指した。Neuromag System (MEGIN)により発作間欠期脳活動を記録し、視察にててんかん棘波を検出・マークしたのち2種の自動解析を行った。(1)Matlab, Neuromag xfitを用いたチャンネルと推定時刻の最適化による電流源双極子(ECD)推定を行い、ECDクラスターを検出し、アトラスによる解剖位置の同定を行う。(2)TSI法により複数の棘波について統計的に優位な再現性のある活動領域を検出する。これら2種の解析結果は担当医が確認し報告書にまとめた。これにより検査者の解析と報告書作成の手間を大いに削減できたが、てんかん性棘波の検出は視察に頼っている。今後より頑健かつ鋭敏で信頼性の高い棘波検出法の開発が望まれる。