生体医工学
Online ISSN : 1881-4379
Print ISSN : 1347-443X
ISSN-L : 1347-443X
内側側頭葉てんかん術前検査におけるMEG再検の有用性
白水 洋史増田 浩福多 真史亀山 茂樹
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 665-666

詳細
抄録

目的:内側側頭葉てんかん(MTLE)症例の術前検査におけるMEG再検の有用性を検討する.

方法:MTLEの術前検査においてMEGを行った82例(男性42例,女性40例;手術時10~66歳,平均30.9歳)を対象とした.術前に行ったMEG回数,各MEG検査における所見,結論について検討した.MEG所見については,いわゆるMTLEパターン(anterior horizontal or vertical pattern),その他の集積,所見無し/ノイズなどで分類し,MEGによる結論については,5段階(1. MTLE確定,2. MTLE疑い,3. TLE,4. 側方性のみ,5. 結論不可)で評価した.

結果:術前に行ったMEG回数は1回(42例,51.2%),2回(31例,37.8%),3回(9例,11.0%)であった.1回目MEGでMTLE確定ないし疑いの結論が得られたのは27例(32.9%)であり,結論不可は38例(46.3%)であった.MEG再検で,MTLE確定ないし疑いの結論が得られたのは,2回目で18例(45%),3回目で1例(11.1%)であった.MEG再検により評価がグレードアップしたものは19例(47.5%)であり,最終的にMTLE確定/疑いとなったのは40例(49.3%),TLE疑いも含めると50例(61.6%)であった.

結論:MEG再検により診断率が向上することが示された.現在本邦では,MEGは患者1人に付き1回しか保険算定できないが,2回目以降の検査も保険算定できることが望まれる.

著者関連情報
© 2021 社団法人日本生体医工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top