生体医工学
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定常状態視覚誘発電位の位相を用いた両眼視の評価検討
水野 嶺小崎 瑞貴鈴木 雅也乾 幸二
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2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 778-779

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抄録

"【目的】ヘッドセット型脳波計で取得した定常状態視覚誘発電位(SSVEPs)の位相を用いて,両眼視の見え方の評価を検討した.【対象と方法】両眼の矯正視力が1.0以上の17名(39.5±10.2歳,男性15名,利目右11名)を対象とし,著しく振幅が小さかった1名を除く16名を解析した.測定は簿暗室(150 lux)にて,視距離100cmのディスプレイに刺激画像を呈示し,PO7,O1,Oz,O2,PO8,F3,Fz,F4の脳電位をヘッドセット型脳波計(TOKAI Orb,東海光学製)を用いて計測した.刺激は,下半視野(8.6°×4.3°)に大小の円を交互に並べた刺激画像を周波数15Hzで5秒間呈示し,白色オクル―ダ―を用いて設定した利目,非利目,両眼の条件でそれぞれランダム順に8回ずつを1セットとして休憩を挟んで2セット計測した.脳波は両耳朶平均に再基準化したPO7,O1,Oz,O2,PO8の波形を加算後,フーリエ変換を用いて15Hz成分の位相を求め,群間比較を行った.【結果】利目,非利目,両眼条件の3群の群間比較においてO1,OzでSSVEPの位相に差が計測され(p<0.05,ANOVA),O1で利目に対して両眼が平均11°(2.1ms),非利目に対して両眼が平均8°(1.5ms),Ozで利目に対して両眼が平均13°(2.5ms)位相が早く(p<0.05,Fischer's LSD),その他の条件間では位相に差が計測されなかった(p>0.1)。【結論】SSVEPsの位相を用いることで両眼視の見え方を評価できる可能性が示唆された。"

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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