2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 99_1
デスクワーク中に摂取する飲料の自律神経活動の影響について報告し,遠隔での生体計測時の懸念事項を検討したい.実験では,20名の健康な男性参加者を対象に,白湯または2種類の茶のいずれかを摂取後,5分間の精神作業を実施し,心電図,発汗,血圧,皮膚血流,脳機能の連続計測を行った.結果,白湯と茶飲料では生理反応に違いがあり,摂取成分による生理学的影響を考慮した検討が必要であることが示唆された.遠隔で計測された生体データに対する食事や服薬の影響は,摂取時間や被計測者による報告により判断できる可能性が高い.しかし,デスクワーク中の飲料摂取が断続的・習慣的に行われる場合,その区別は難しいことが推測される.ウエアラブルデバイスによって計測された生理反応が,摂取成分による生理学的要因によるものか,心理的要因によるものかを常に判別する必要があるとは限らないものの,それらの影響を区別することは課題のひとつになると考える.