生体医工学
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日本が先駆の医用ソフトロボティクス
生田 幸士
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 101_1

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抄録

日本が先駆の医用ソフトロボティクス生田幸士立命館大学・大阪大学・藤田医科大学 最近、ハーバード大学やケンブリッジ大学など従来のロボティクスにで遅れていた大学が中心になり柔軟な体幹を持つロボット「ソフトロボティクス」がブームになっている。Science誌やその姉妹紙のScience Robotics誌、Soft robotics誌では毎号、数多くの研究論文が掲載されている。しかし筆者など昔から柔軟な医用ロボット研究者には、欧米研究の新規性には疑問を持っている。筆者だけでなく柔軟ロボットに詳しい欧米の研究者間でも同様の意見である。実は日本では1970年代からヘビやアワビをモデルにしたロボットや、油空圧、水圧、形状記憶合金アクチュエータ、高分子の人工筋肉などの研究が盛んであった。ソフトロボティクスに関しては、世界で40年早かった。論文の大半は英語になっているがネット検索できないものは引用されない昨今の悪しき状況を改善するためネットに再掲載したり、せめて日本人は自分たちの先輩たちの業績を引用すべきと啓蒙している。 筆者は1985年に世界初の柔軟な能動ロボット内視鏡を開発し、その後生理食塩水で駆動する能動カテーテルや、メカトロニクスの要素技術の開発を進めてきた。本シンポジウムでは、ソフトロボティクスの医用応用ならではの課題、解決策を述べる。

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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