生体医工学
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可変形3次元画像による大規模バーチャル手術手技アトラスと呼吸器外科手術ガイドシステムの創出
芳川 豊史中尾 恵
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 128_2

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抄録

目的:低侵襲化の道を進む、匠の技である、無形の呼吸器外科手術手技について、可変形3次元画像と大規模なバーチャル手術手技アトラスを用いて有形化する。さらに、呼吸器外科手術ガイドシステムの創出により、呼吸器外科手術の高位平準化を図る。方法:本研究は、現有のシーズである画像変形推定技術と切離プロセスマッピングという技術を用いて、患者個人のCT情報をもとに、可変形3次元バーチャル画像を作成し研究開発を行う。結果:これまでの開発において達成し得たものを紹介する。まず、種々の手術術式において、可変形3次元バーチャル画像を作成し実際の手術画像と対比させたバーチャル手術手技アトラスを作成できた。次に、肺切除で最も肝要な、肺門や葉間というレベルでの血管や気管支という脈管構造の剥離のシミュレーションを、患者個人のCT情報をもとに、可変形3次元バーチャル画像を用いて行い得た。その際に、肺内を透見できる画像技術や手前の構造物を消去する技術を導入した。実際の手術において、患者個人のCT情報をもとに作成した可変形3次元バーチャル画像を自由に動かし、実際の手術における手術ガイドを10数例の解剖学的肺切除で行い得た。結語:我々が手掛けている可変形3次元バーチャル画像による手術ガイドについて進捗を紹介した。

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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