2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 225_2
看護において、触れるケアは不安やストレスの軽減、癒しの効果が期待されているが、近年は業務の機械化や効率化により患者に触れる機会は減少している。触知による脈拍測定は無理なく患者に触れることができ、触れるケアの効果が期待できる。本研究では、触れることによる患者看護師間の相互作用を求め触れるケアの効果を解析することを目的とする。触知、パルスオキシメータによる脈拍計測と、脈に触れるだけの条件下で、患者、看護師両者の脳波、心拍を同時計測し、実験終了後に収集したアンケート結果とともに評価した。実験は、看護師役は看護師の経験を有する健常成人で、患者役は健常成人男性とし、看護師は座位、患者は仰臥位で行った。看護師役を固定した複数の組み合わせで計測した。脳波の解析は、α波、β波のパワースペクトルの時系列変化から、心拍の解析は、HF値、LF/HF値の時系列変化から各条件下での両者それぞれの精神状態変化を評価した。その結果、パルスオキシメータによる脈拍計測と触知による脈拍計測、また触れるだけの場合での緊張状態、安静状態に違いがみられた。