生体医工学
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超音波画像におけるYoloを用いた深層学習 -自動鑑別に向けた乳腺腫瘍における実施例
炭 親良平野 友郁Junliang XiaoKaichen Hua
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 250_2

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抄録

Yolov5を超音波エコー像におけるヒト乳腺腫瘍の検出/鑑別に応用した.悪性と良性との単独学習モデルと,両学習モデルとして(i)通常のYoloモデルで両腫瘍を学習させたものと提案モデルの(ii)良性腫瘍はbounding box無しで訓練させて悪性のみを学習させたものと(iii)(ii)とは逆に良性のみを学習させたものとを実現した.悪性210枚と良性437枚との画像を学習と未学習と訓練中のテストのデータとに7:2:1の割合で分けた.未学習データにおいて,悪性と良性との単独モデルは共に高い検出能を示した(95.2%と100%).Boxが付かずに検出されなかった悪性腫瘍は硬癌の中でも縦横比が際だって大きいものだった.両性モデル(i)でも同様に悪性腫瘍は良性よりも検出が難しく,検出能は全体的に低かった(80.3% vs 92.4%).悪性腫瘍の誤検出10枚(box無し4枚と反転して良性判定6枚)は不整形状の超音波所見として悪性として鑑別されるべきものだった. 良性の誤検出10枚(box無し3枚と反転3枚と両方のboxで囲まれた4枚)は低コントラストの腫瘍だった.また,両性モデル(ii)と(iii)の検出能は92.8% vs 94.2%となり同様に悪性腫瘍は良性よりも検出が難しかった.(ii)と(iii)にて反転した誤検出率は5.7% と11.9%であり(ii)の方が低かった.通常のYoloモデル(i)と比較し,提案モデル(ii)の誤検出率は若干に高くなったものの(3.7 vs 5.7%),悪性腫瘍の検出能はかなり高かった(80.3 vs 92.8%).今後には検出能/鑑別能が100%である自動鑑別を実現すべく教師データを増やす.

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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