生体医工学
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医用電気・電子工学教育の実践
戸畑 裕志
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 81_2

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抄録

 大学における臨床工学技士教育期間4年のうち実質3年で医療系と工学系の基礎を教育しなければならない。当然のごとく2つの大きな分野を履修するだけの時間的な余裕はなく、どのようにして教育するかについては各教育施設において悩むところである。カリキュラムの7割近くが工学系であり、特に電気・電子工学系は重要視されている。しかし多くの学生が電気系科目は苦手である。学生は医療系の学科であるのに「電気・電子工学がなぜ医療に役立つのか」が理解できない。特に中学・高校と理系科目に興味を持てなかった学生にとっては辛い科目であるが、臨床工学のベースとなる科目であり医療との関連性を理解させなければならない。 そのためには、座学のみでは困難であり、演習、実習を通じて考えさせる必要がある。最終的に、臨床現場において工学的センスを持ち技術の応用ができ推察する力を獲得する必要がある。特に医用電気・電子系授業では実践的かつ横断的な教育を行う努力をしている。例えば、オームの法則が電気系に限らず下記の類推(analogy)によって医療の分野でも用いられていることも教える必要がある。 電気回路(電圧= 電流 × 抵抗)、循環(血圧= 血流量 × 末梢血管抵抗)、 呼吸(気道内圧= 流量 × 気道抵抗)、このような観点より実践してきた内容について述べたい。

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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