生体医工学
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医デジ化による超高精度な局在診断・局所治療の実現
小泉 憲裕
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 152_2

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抄録

 著者らは,ロボティック超音波局在診断・局所治療基盤システムを開発している。本研究で提案するロボティック超音波局在診断・局所治療基盤システムとは,呼吸等により能動的に変位・変形・回転をともなって運動する,臓器内に埋め込まれ,局所的な広がりをもつ患部を抽出・追従・モニタリングするとともに超音波を集束させてピンポイントに患部へ過不足なく照射することにより,がん組織や結石の治療を患者の皮膚表面を切開することなく非侵襲かつ低負担で行なおうとするものである。

 上記のシステムを実現するために,下記の5つの作業手順を順次遂行することで,がん局在診断・局所治療技能を機能として抽出,構造化し,人工知能技術およびロボット技術を援用してデジタル機能関数としてシステムの機構・制御・画像処理アルゴリズム上に実装(医療技能の技術化・デジタル化)する。

 その際,必要ならば専門医の医療技能に啓発された全く新しいアプローチから機能を追加・実装することにより,さらなる医療の質の向上(高速・高精度化)を図る。これにあたっては,我々が開発してきた下記の5つの独自のコア技術を基盤として,これを発展させることで行なう。

 作業手順:(1)がんの局在診断・局所治療技能を機能として抽出・構造化,(2)機能におけるパラメータ解析,(3)機能の設計指針化,(4)機能の実装,(5)実験による機能の評価・改良

 コア技術:(コア技術I) 人体に対する安全・安心接触/非接触動作技術.(コア技術II) 機能に応じた高精度機構設計技術.(コア技術III) 超音波医療診断・治療技能における機能抽出・構造化技術.(コア技術IV) 超音波診断・治療タスクに応じたシステム動作切替え技術.(コア技術V) 人工知能技術を援用したリアルタイム医用画像処理技術。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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