生体医工学
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ESWLアウトカム予測モデルにおける特徴量選択法の比較
小林 壯哉藤田 大輔澁谷 浩伸郷原 真輔小橋 昌司
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 234_1

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抄録

尿管結石は,尿中の成分が結晶化してできた結石が,尿管に詰まる疾患である.近年,尿管結石に対する治療方法としては主に,体外衝撃波結石破砕術(ESWL:Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy)と経尿道的結石破砕術(TUL:Transurethral Lithotripsy)が確立されている.ESWLは侵襲性が低い治療方法であるが,成功確率が7割程度であり,TULの8割から9割と比べて低い.そのため,初期治療としてESWLを選択し治療が失敗すると,TUL等の追加治療が必要となり,患者への金銭的・身体的な負担が増大する.本研究では,ESWLのアウトカム(成功,失敗)を予測するモデルを提案し,その解釈性と精度向上を目指す.提案法では,治療前のCT画像,X線画像と臨床所見のデータを用い,各画像からはCNNおよびラジオミクス特徴量により特徴抽出する.得られた特徴量に対し,2種類の特徴量選択方法と7種類の機械学習アルゴリズムを適用する.被験者162名に対する実験結果から,各特徴量のSHAP値を計算し,その値の大きい特徴量から順に追加する単変量特徴量選択法と,ランダムフォレストの組み合わせにおいて,Accuracyが0.913,AUCが0.956で最大となった.また,特徴量数の減少により,モデルの解釈性も向上した.

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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