生体医工学
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水性二相系を用いた浮遊培養システムによるスフェロイド形成に関する基礎研究
根岸 龍之介住倉 博仁大越 康晴村松 和明加藤 綾子矢口 俊之
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 264_2

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抄録

本研究では水性二相系 (Aqueous Two-phase System, ATPS)を用い、接着性細胞を対象とした浮遊培養システムの開発を行っている。ATPSとは水性溶媒に、特定の2種類の高分子の溶質を溶解させると二層に分離する性質のことである。本システムのATPSを構成する水性高分子としてPolyethylene glycol (PEG)とDextran (DEX)を用いた。これを試作した浮遊培養システムにより還流し、接着性細胞を浮遊培養することでスフェロイドを形成することを目指している。今回は形成されたスフェロイドの大きさについて評価を行った。スフェロイドの試作では、DEX-rich相液滴30µL (細胞懸濁濃度:5.0×10^6 [cells/mL])を調整した。この液滴をPEG-rich相液が下から上方向に流れる浮遊培養回路槽に滴下し、浮遊培養によりスフェロイドを形成した。PEG-rich相液のリザーバをインキュベータ (CO2 : 5%, 37℃)内に設置することにより回路内の培養液のガス濃度、温度を培養環境に適した状態に維持した。今回は培養時間を4および5.5時間とした。スフェロイドの計測では、ランダムに選定した100個のスフェロイドについて,位相差顕微鏡画像を取得し、スフェロイドの縦方向,横方向をImageJにより画像計測し,その平均値を大きさとした。その結果4時間、5.5時間の浮遊培養で得られたスフェロイドの平均径±S.D.はそれぞれ109±44.2µm、125±46.5µmとなった。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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