生体医工学
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認知症リスク低減を目的とする速歩足踏みによる拍を感ずる演奏の試み
赤澤 堅造奥野 竜平西ノ平 志子一ノ瀬 智子前田 義信
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 290_2

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抄録

毎年1,000万人近い認知症患者が新たに発生しており、認知症の予防は21世紀の医療と社会的ケアにおける世界的な最優先課題となっている。認知症に対する根治的な治療法はないが、予防的な管理によって認知症の発症や進行を遅らせることが可能であることは広く認識されている。世界保健機関(WHO)と厚生労働省は、「認知機能低下と認知症のリスク低減」ガイドラインを発表している。簡単に言えば、日本人の成人に対して、1回に少なくとも10分間、少なくとも3METs以上の有酸素運動を行うことを推奨している。また,健常成人において楽器演奏が認知症リスクを64%以上低減させることが示されている.このような背景から,著者らは、有酸素運動に音楽演奏を加えることで、運動がより魅力的なものになり、運動への動機づけや継続への励みになると考え,初心者が座った姿勢のまま、足で風船を繰り返し押し下げる、すなわち足踏みをすることで、好きな曲を簡単に演奏できる新しい電子楽器Cymis-Footを開発した(Adv Biomed Eng 2024).本研究は新規に,加速度センサを利用した演奏を可能とし,座位ではなく立位において速歩の足踏みで上記ガイドラインを満足でき,拍を感ずるように電子楽器サイミスの演奏ができることを示す.

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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