生体医工学
Online ISSN : 1881-4379
Print ISSN : 1347-443X
ISSN-L : 1347-443X
これからの医療機器開発に望むことー開発支援に係る学術指導の経験からー
谷城 博幸
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 92_1

詳細
抄録

17年間の行政での薬事規制の経験を踏まえ、学内外のアカデミア・企業を対象とした医療機器の薬事開発の理解を深めることや開発促進の観点から必要な助言等を実施する学術指導を主務として、大阪歯科大学に設立した医療イノベーション研究推進機構に2022年1月に赴任しています。これまで、当機構で直接学術指導を実施している、あるいは国や地方自治体が提供する医療機器の開発化促進事業の専門家として間接的に関わらせていただいている、企業やアカデミアの事例等を参考にして、海外に比して何故、本邦でのイノベーティブな医療機器開発へと進まないのか、進めるためには何が必要なのかをお話させていただければと考えています。開発した医療機器が実現する機能と臨床的意義について、承認申請に係る国の審査機関であるPMDAでの審査の考え方と、開発者や申請する企業での考え方におけるギャップもその一つです。そのギャップの解決方法によっては、上市までのスケジュールで大きく遠回りをする場合もあり、一方で、上市までのスケジュールは早くなっても事業として成立しない医療機器となってしまうこともあり得ます。このセッションでの講演を通じて、薬事開発を意識した研究開発への視点を持っていただけることを期待しております。

著者関連情報
© 2024 社団法人日本生体医工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top