生体医工学
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磁気式モーションキャプチャを用いた吸引における看護手技計測システムの構築
武藤 諒介水戸部 一孝齋藤 正親
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2024 年 Annual62 巻 Proc 号 p. 424-426

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抄録

 吸引は分泌物、異物を自力で排出できない患者に対して気道の閉塞や分泌物貯留による肺炎など感染症を防ぐ目的で実施される看護技術である。しかし、目視できない人体内部に対してカテーテルを挿入するという感覚的で細かな手指巧緻動作を言語化して伝えることが非常に難しく、看護教育上の課題の一つであるといえる。

 そこで本研究では、高精度のモーショントラッキングが可能な磁気式の3次元位置姿勢計測システム(Polhemus社、Viper)を用いた吸引手技計測システムを提案した。カテーテルの先端部、中央部および手指にレシーバを装着して取得した位置姿勢データをMATLAB(MathWorks社)で座標変換および可視化することで、システムの妥当性を検証した。その結果、吸引手技における実施者の巧緻な手指の動き、手首の前背屈ならびに吸引カテーテルの進入度を計測・可視化できた。今後は本システムを用いて、吸引手技におけるカテーテル進入時の手指巧緻動作の解析を進めていく。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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