生体医工学
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内視鏡手技を支援する腸内デバイス群とデバイス留置用空気駆動型螺旋形状足場機構
坂口 優斗高 鑫池棚田 永遠鶴岡 典子劉 温鋭丸山 央峰藤城 光弘辻 陽介新井 史人山口 健西 駿明伊藤 真芳賀 洋一
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2025 年 Annual63 巻 Proc 号 p. 413-415

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抄録

軟性内視鏡手技の安全性の向上,手技難易度の簡便化および手技時間の短縮などを可能とする腸内デバイス群と,これらを腸内に留置・固定する空気駆動型螺旋形状足場を開発している.内視鏡とは別の視野を提供する観察デバイス,処置を支援する牽引デバイスなどが足場に固定されており,これらを腸内に留置する.観察デバイスはCMOSイメージャーとLEDにより構成され,牽引デバイスはマイクロモーターと牽引ワイヤーなどで構成される.足場は空気で膨張する「バルーン部」,配線を有する「フレキシブル基板(FPC)部」,外部装置と接続する「接続部」などで構成され, FPCと螺旋形状に形状記憶処理した超弾性合金ワイヤーをポリイミドフィルムで挟むことで作製される.小さく巻いた足場を内視鏡のオーバーチューブを介し腸内の目的部位へ搬送後,足場展開の際に超弾性合金ワイヤーにより足場の螺旋形状の形成が補助され,バルーンの膨張により腸内壁に押し付けられ固定される.腸の内腔形状を考慮した足場の設計および腸内における適切な展開と位置合わせなどの妥当性を検証するためハイドロゲル製の大腸モデルを用いた評価実験を行った.大腸壁との間の摩擦力を高め,牽引動作に対して姿勢を維持するため足場の外側にメッシュシートを装着する.メッシュシートとして医療用ガーゼを用いたものとポリエチレン樹脂製メッシュシートを用いた2種類について試作評価を行った.

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© 2025 社団法人日本生体医工学会
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