抄録
スカベンジャーによるリサイクルへの貢献が指摘され、インフォーマルな活動であるスカベンジャーによる有価物収集活動をフォーマルなシステムに組み込む統合的な廃棄物処理行政が複数の研究者によって提案されている。しかしながら、量的データとして正確にスカベンジャーたちのリサイクル能力などを推計したものはほとんど無い。そこで、本研究においては、インドネシア共和国バンタルグバン廃棄物最終処分場近隣のスラム街に居住するスカベンジャーを対象に約9ヶ月間の現地滞在調査を行った上で、スカベンジャーたちによるリサイクル方法を明らかにするとともに、スカベンジャー社会において有価物の売買時に取り交わされている伝票に基づき、スカベンジャーたちの収入(Rp.1,178,643)について明らかにしながら、世帯あたりのリサイクル量(1,977kg)を明らかにした。