抄録
廃棄物焼却炉排ガスの水銀排出濃度規制が予定されており、現状把握のため、水銀製品が投入された時に排出濃度への影響が大きい27t/24h小型焼却炉で水銀の挙動を調査した。 この施設は排ガス処理としてバグフィルタろ布表面に消石灰と活性炭の反応・吸着層を形成する乾式反応集じん装置を採用しており、水銀製品が投入された場合影響が大きい小型焼却炉であるがバグフィルタ出口の水銀濃度はほぼ0(mg/m3(N))を推移し、5日間の運転で50μg/m3(N)を超えるスパイクは1度だけであった。
消石灰と活性炭の反応・吸着層は排ガスとの接触効率が高く、また消石灰、活性炭が破過するまでは十分な量があるため水銀も高効率で吸着できるものであり、乾式反応集じん装置は水銀排出抑制に効果が高いと考えられた。