主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 29
開催地: 名古屋大学東山キャンパス
開催日: 2018/09/12 - 2018/09/14
本研究では、中国の家電廃棄物回収システムにおけるインフォーマルセクターがどのように回収ネットワークを形成してきたか、さらにどの意義を持っているかを調査・分析した。また、インフォーマルセクターがまだ主流である地方都市に着目し、鶴崗市で現地調査を行った。その結果、インフォーマルセクターは引取りサービスの柔軟性というメリットを有し、特に中国の社会的、文化的背景の中で、近隣関係などを通じた排出者との確たる人脈構築も見られた。さらに、アンケート調査結果から、個人回収者による回収が多く占めているという現状を明らかにした。よって、インフォーマルセクターは特に地方都市において効率的な回収、中古家電のリユースへの貢献という点を一定程度評価すべきであると考えられる。今後地方都市では制度実効に限界があるため、インフォーマルセクターの能力を生かすことはむしろ現実的なアプローチであると示唆された。