近年,再生骨材等をはじめとするリサイクル製品の主要な利用先である道路工事などの土木工事の減少によりリサイクル製品の需給バランスに乖離が生じていることが指摘されている。特にコンクリート塊等の建設系廃棄物は,戦後の経済成長期に建設された建築物等が老朽化し建替時期を迎え,今後排出量が増加すると見込まれ,リサイクル製品の利用先の確保が資源循環型社会の構築において極めて重要である。本報では,今後のリサイクル製品の利用拡大に向けた検討を行うにあたって,リサイクル製品の需給バランスや地域別での偏在状況の現状を明らかにし,持続可能なリサイクル製品の利用促進に向けた方向性について考察を行った。