抄録
筆者らが検討しているHP/BG併用熱供給システム(以下,提案システム)を乳牛ふん尿BGPシステムに併設し,RE電源の出力変動抑制技術としてみた場合のエネルギー性能評価を行った.提案システムのエネルギー性能評価は年間に亘る発電電力量,熱発生量等の実データを用いてその有効性を定量的に評価した.その結果,提案システムの発電・熱のエネルギーポテンシャルは提案システム無しのBGPと比較して大きく増加する結果となった.また,より詳細なシステム評価とするため,BG実機を用いた機器特性試験も行った.今後,提案システムの有効性について実運用の観点から検証・評価を進めるとともに,提案システムで発生した熱エネルギーを地域の農林業等において多面的かつ有効に利用する実用性の高い“Power to Heat”技術の構築を目指していくことが重要であると考えられ,今後の検討課題としたい.