抄録
流動床式ガス化溶融炉では、溶融炉にクリンカが堆積した場合、必要に応じてクリーニング作業を行い安定操業しているが、溶融炉のような高温雰囲気内のクリンカ堆積状況を監視する有効な手段は現在確立されていない。そこで、レーザーを用いてクリンカ堆積量を計測する実機検証を行い、運転中にクリンカ堆積量の定量的な計測が可能であることを確認した。
また、ガス化溶融炉では出滓口からスラグの排出を行っており、運転員が出滓口を監視し、固着したスラグを適宜除去する運転操作を行っている。このスラグ除去の運転操作判断のタイミングには個人差があり、出滓口の監視業務は運転員の負荷となっている。そこで、出滓口状況を自動判断できるシステムの開発を目的に、出滓口監視カメラ画像を用いた出滓口開口率の定量化に取り組んだ。その結果、画像解析による出滓口開口率の定量化技術は、人間による目視評価と比較した結果、平均誤差が-6.5%であった。