抄録
廃石膏ボードの埋立は硫化水素ガスの発生原因となることや浸出水中に高濃度の硫酸イオンやカルシウムイオンが溶出するため、浸出水処理に膜処理を採用している場合には処理阻害要因となる。さらに廃石膏ボードに付着した紙の分解を行い、埋立層の安定化方法等が課題となっている。このため廃石膏ボードの適正埋立管理方法の開発が求められている。今回、硫化水素ガスの発生抑制と廃石膏ボードからの硫酸イオン等の浸出特性の把握による浸出水管理および廃石膏ボードの早期安定化を目的に実証実験を行った。その結果、埋立処分された廃石膏ボードからの硫酸イオン等の浸出特性を把握することができ、また、埋立層内に空気を注入することにより有機物分解が促進されることが明らかとなった。更に、廃石膏ボードと飛灰の混合埋立により、硫化水素ガスの発生抑制効果が確認できたので報告する。