抄録
最近、一般廃棄物最終処分場においては埋立ごみに占める、焼却残渣の比率が75%を超えている。焼却残渣の20~30%(重量比)を占める飛灰は特別管理一般廃棄物であるため、鉛等の溶出防止のため、安定化処理が義務付けられている。その中で有機キレートによる安定化処理が最も多く実施されている。有機キレート剤には硫黄、窒素、有機物が高濃度に含有しており、重金属類不溶化のために過剰に添加された余剰キレートが、浸出水中に残留キレートとして存在し、窒素、COD濃度を上昇させ、浸出水処理に支障を来すようになっている。このため、キレート添加前飛灰を用いて、0.1%単位でキレート剤を添加し、キレート添加飛灰の溶出試験を行い、残留キレートの影響を実験的に確認したので報告する。