抄録
我が国では焼却炉の普及により最終処分される廃棄物の大半を焼却残渣が占めるようになった。この結果、最終処分場では様々な課題が生じてきた。例えば①浸出水の高濃度無機塩類化による脱塩処理、これに伴い発生する副生塩の適正処分問題、②排ガス処理に用いられる石灰に起因するカルシウム汚泥の大量発生、③飛灰安定化処理に使用される有機キレート剤に起因する硝化阻害等があげられる。このため、浸出水管理が困難となり埋立地の安定化が遅れる原因となっている。脱塩剤、飛灰安定化剤の異なる模擬埋立槽を設置し、浸出水の長期挙動モニタリングを行い、知見を得たので報告する。