抄録
焼却飛灰中放射性セシウムの不溶化処理については様々な研究がある。その中でもジオポリマー固化処理は低環境負荷な処理として注目されており、様々な廃棄物に適用され、抑制機構などの調査がされている。しかし、ジオポリマー固化の際に混合するアルミノケイ酸塩(フィラー)に関する研究は少ない。そこで、本研究では種々の土壌をフィラーの原料物質の一つとして用い、低環境負荷な不溶化処理として土壌混合ジオポリマー固化処理による放射性セシウムの溶出抑制を検討した。五種類の土壌を用いて作製した土壌混合ジオポリマー固化体に対し、X 線回折法による結晶分析を行い結晶構造の観点からその溶出特性や安定性を検討した。溶出抑制効果が大きかった土壌混合ジオポリマーの X 線回折図形からハイドロガーネットの生成が確認できたため、ハイドロガーネットを生成し易いアルミニウム量が多いフィラーが土壌混合ジオポリマー固化には適している可能性がある。