大阪府下の市区町村の化学物質排出量を推計し,災害時の化学汚染廃棄物対策を検討した。PRTRで届出対象外となっているすそ切り以下排出量を推計し,届出排出量と合わせて示した。また物性で分類した排出量,単位面積あたりの排出量,1事業所あたりの排出量を算出した。市区町村によっては推計したすそ切り以下排出量が届出排出量を上回る場合もあり,すそ切り以下となるような事業所に注意が必要であった。物性別に見ると液体が全排出量の約96%を占め,そのほとんどが揮発性を有する物質であった。池田市などでは大量の化学物質を一部の事業所が使用していると予想され,特定の事業所に対する調査や支援が重要になると考えられた。一方,大阪市西成区や東成区では少量の化学物質を取り扱う事業所が多いと予想され,混触のリスクを見据えた近隣事業所による取扱物質の情報把握が重要になると考えられた。