消費者はプラスチックの削減および資源循環において重要なステイクホルダーだが、プラスチック利用に伴う数々の問題をどのように認識しており、どのようにプラスチック製品に対する環境配慮行動へと繋がっているのかは明らかでない。本研究では、アンケート調査により、プラスチック問題に対する認識を尋ねるとともに、プラスチック製品に対する環境配慮行動の心理学的規定因を分析することを目的とした。回答結果から、プラスチック問題のうち、プラスチックの自然界流出とそれによる海域・陸域の生態系への悪影響を重視する人が日本国内で約46%を占めることがわかった。また、要因関連モデルの共分散構造分析から、規定因のうち対処有効性認知と社会規範評価がそれぞれ目標意図と行動意図に及ぼす影響が大きいことがわかった。一方で、プラスチック問題の認識に応じた心理学的規定因の差異は観察されなかったことから、今後のさらなる分析が必要である。