サイディング切粉の地盤改良材としての可能性

抄録

住宅建築および建設業界ではリフォームの需要が高まっており、解体に伴い窯業系サイディング材を含む建設混合廃棄物が発生している。セメント系材料の中でもサイディング材は有機系混和剤を含んでいることからリサイクル率は著しく低い。本研究ではサイディング材の地盤改良材としての利用可能性を検討しSDGsへ貢献することを目的とする。材料条件として、サイディング切粉の熱処理を検討し、サイディング切粉との比較対象としてセメントを添加した供試体を作製する。手法として一軸圧縮試験による強度確認、またSEM-EDS分析による生成物の定性及び定量分析を実施する。一軸圧縮試験では、まず熱処理の有無により強度が大きくなったことが確認できた。セメント添加の供試体と比較し小さい強度発現となったが、地盤改良材としての利用可能性を示した。SEM-EDS分析より、サイディング切粉の吸水性が固化に影響したと考えられる。