カーボンニュートラル実現に向けて、非鉄製錬業界ではリサイクル原料の処理拡大に向けての取り組みが加速しているが、金属リサイクル炉として重要な役割を担っているTop Submerged Lance(TSL)炉では、熱量当たりのCO2排出量が多い石炭を多量に消費している。今後は石炭の使用量の削減が急務であるため、本研究では、代替燃料の候補として、廃基板、廃プラ、廃タイヤ、バイオマス燃料等を検討し、発熱量が低いバイオマス燃料においては、半炭化によって使用燃料の大同精炭と同程度の発熱量が得られるかを確認した。6種類のバイオマス燃料の試料性状および半炭化後の発熱量を大同精炭と比較した結果、いずれの試料も大同精炭に比べ揮発分の割合が高く、固定炭素分の割合は低かったが、灰分の割合は試料によって差が見られた。また、いずれの試料も半炭化することにより発熱量を大幅に増加させることができた。