メタネーションはごみ焼却由来CO2の利用方法として期待されており、化石資源由来のメタンを廃棄物由来のカーボンニュートラルな合成メタンで置き換えることで都市ガス・熱利用分野の脱炭素化を推進できる。本研究では、バイオガス化及びメタネーションを付帯する清掃工場のモデルを設定し、バイオガス化比率等について感度分析を行うことで、メタン製造ポテンシャル及び環境性を評価した。メタネーションを行うモデルはバイオガス化のみのモデルに比べメタン製造量が約1.4~1.9倍に増加し、近畿2府4県において2050年までの累積の施設更新需要を満たすようバイオガス化等を付帯する清掃工場を整備した場合、最大で年間約1.5億Nm3のメタンが製造可能である。メタネーションに必要な水素を余剰電力から製造するモデルと外部から制約なく水素を調達するモデルは優位性を持つ場面が異なり、系統電力の排出係数等に影響されることが判明した。